法人税とは? 経営者が知っておきたい最低限の知識だけを説明します

法人税とは? 経営者が知っておきたい最低限の知識だけを説明します 法人

法人税とは、法人の利益に対してかかる税金です。
例えば株式会社を設立した場合には
自分で申告書を作成し法人税を計算しなければいけません。
必ず必要な手続きとなりますので経営者の皆様は絶対に最低限の知識は押さえておく必要があります。

この記事では、法人税とはどういったものなのか基本的な事項を説明しています。

法人税とは

法人税とは、法人の利益に対してかかる税金のことです。
法人は毎事業年度ごとに法人税を国に納めなければいけません。
法人税は、国は計算してくれないので、法人が自分で計算する必要があります。

大まかな流れは以下のようになります。

【法人税の流れ】

①事業年度が締まる

②決算を組んで、利益を確定させる

③確定した利益に基づいて申告書を作成して法人税を計算する

④期限までに申告書を税務署に提出し、法人税を納める

なお、「法人税等」という言葉もあります。
法人税等とは、上記の法人税以外に以下の税金も含まれます。

  • 地方法人税
  • 法人都道府県民税・法人事業税
  • 法人市町村民税

法人税等は全て法人税と同じタイミングで申告と納税を行います。

この記事では、法人税を前提について説明します。

法人税の納税義務がある法人とは

法人税は、法人の種類によって納税義務の有無が違います。
以下の法人は法人税の納税義務があります。
これらの法人をまとめて「普通法人」と呼んだりします。
特に一番身近な株式会社も当然納税義務がありますので
株式会社を設立した場合には法人税の納税があることを
忘れないようにしないといけません。

【納税義務がある法人】

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 有限会社
  • 医療法人

また、法人税法施行令という法律で定められている収益事業を行っている
以下の法人についても法人税の納税義務があります。

【収益事業を行っている場合に納税義務がある法人】

  • 社団法人
  • 財団法人
  • 宗教法人
  • 社会福祉法人
  • NPO法人

                           

法人税の申告・納税の期限について

法人税は、原則として、法人の事業年度末から2カ月以内に
管轄の税務署に申告し、法人税を納める必要があります。

申告期限 事業年度末から2月以内

例えば、事業年度が4/1~3/31であれば、
5/31までに法人税の申告と納税を済ませなければいけません。

ただし、期限が土日、祝日であればその翌日が期限となります。

法人税の計算方法について

法人税は、法人の事業年度ごとの「所得」に対して一定の「税率」を乗じて計算します。

①所得について

所得とは大まかにいえばその法人の利益のことです。
しかし、課税の公平性の観点から、
決算で確定した利益をそのまま法人税の計算に使うことはできないため、
利益に一定の調整を加えて「所得」を計算します。

②税率について

資本金が1億円以下の株式会社を前提にすると、
適用される税率は以下のとおりです。※令和6年時点

所得税率
800万円以下の部分15%
800万円超の部分23.2%

簡単な計算例を見てみましょう。

【計算例】

所得が1000万円の場合の法人税

800万円×15%+(1000万円-800万円)×23.2%=166.4万円

なお、資本金が1億円超の法人になる等一定の場合には
所得が800万円以下の部分について税率15%が適用されず
一律23.2%の税率が適用されます。

法人税を申告・納付しないとどうなる?

法人は、自分で申告書を作成し、法人税を計算しなければいけません。
もし、期限までにそれができない場合には、
以下のペナルティが課せられてしまいます。

① 延滞税

② 無申告加算税

③ 青色申告の承認の取消

①延滞税

延滞税とは、納めるべき法人税の納税が遅れたことによる利息となります。
納付の期限から2月までに納めれば年2.4%、それ以降であれば年8.7%
の利率となります。

なお、この延滞税の利率は、令和6年時点のものであり、
年によって変動します。

②無申告加算税

無申告加算税とは、期限までに納税できなかったことによる罰金となります。
本来の法人税額に対して、15%~の無申告加算税が課されます。

③青色申告の承認の取り消し

法人税の申告書を2事業年度、連続して期限内に申告しない場合には、
青色申告の承認の取消しとなります。
青色申告の承認を取り消されると、欠損金の繰越等のメリットを受けることができなくなるため
法人税の負担が増えてしまいます。

まとめ

この記事では、法人税の基本的な事項について説明しました。
法人税の申告と納税は、期限までに正しく行わなければいけません。
そして法人税は自分で計算する必要があります。
しかし法人税の計算は専門知識が必要のため、
なかなか経営者の皆さんがご自身で申告書を作成するのは難しい部分があるかと思います。
法人税の申告についてご不安な方はぜひ弊所までご相談ください。